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動産譲渡・債権譲渡登記(その1)-東京法務局中野出張所へ
今回は、動産譲渡登記、債権譲渡登記についてご紹介します。
この登記は、平成10年に法律ができたという新しい制度です。最近では、太陽光発電がはやりで、太陽光パネルとか売電債権を譲渡担保に入れる案件が多くなっています。
文字通り、動産や債権を譲渡したことの対抗要件としてこの登記をします。動産譲渡や債権譲渡の対抗要件としてはもともと民法に規定があったので、その特別法として新設されました。
この登記は、対抗要件としては他の登記と同じなのですが、他の登記にない特殊な点がいくつかありますので、ご紹介します。
①まず第一に、オンライン別送方式ができません。
不動産登記や商業法人登記では、申請書をオンラインで送信しておいて、オンラインで送れない書類について、別途郵送するということができます。
これは、司法書士としては、とても便利なものです。オンライン、すなわちパソコンで登記申請することができ、書類を送付していなくてもその時点で登記が受付けられ受付番号が振られるからです。わざわざ法務局まで書類を持っていく必要がないのも魅力です。
ところが、動産譲渡・債権譲渡登記については、このオンライン別送方式ができないので、基本的には、申請書等を法務局に持参するか、郵送することになります。
②第二に、登記原因証明情報の添付を要しない点が特殊です。
不動産登記や商業法人登記では、登記原因証明情報や各種議事録の添付が必要です。
これは、登記事項がその原因となっている実体関係と一致するかを審査し、不実な登記を防止するためです。
ところが、動産譲渡・債権譲渡登記では、登記原因証明情報の添付が必要とされません。
③第三に、補正が許されない点が特殊です。
他の登記では、記載に誤りがあるときや、足りない書類があるときには、記載を訂正したり、書類を追加して提出するとかして、それを補正することができます。
ところが、動産譲渡、債権譲渡登記については、補正をすることが許されず、取下げを指示されます。もし、司法書士がそれを拒むと、却下となります。
All or Nothing です。
もし、銀行が「融資をした日付で登記を入れてほしい」という要望のときには、司法書士としては、間違いは許されません。
④第四に、変更登記(延長登記を除く)、更正登記ができません。
不動産登記や商業法人登記では、登記の内容が登記申請後に変更したとき、あるいはもともと間違った内容で登記申請してしまったときには、その内容を正しいものにするため変更登記や更正登記を申請することができます。
でも、動産譲渡・債権譲渡登記では、登記の内容を変更する登記、あるいは更正する登記が出来ません。それまでの登記を抹消してから、変更した内容あるいは正しい内容の登記を、改めてし直さなければなりません。
どう違うかというと、新たに登記をし直した時から対抗力が生じることになります。
⑤そして、最後に、動産譲渡、債権譲渡登記を扱っているのが、東京法務局中野出張所だけというのがまた特殊です。
書類を持参するときは、中野出張所まで持って行きます。もし、不備な点があると取下げとなり、書類を整えた後に再度中野出張所に出向くことになります。
ということで、昨日、動産譲渡登記を申請するため中野出張所に行ってきました。
個人的には、学生時代に2年半住んでいたので、中野は懐かしいところです。
ただ、中野駅北口は再開発されて、当時の面影は少なくなってしまいました。
古くは、中野警察大学がありましたが、今は、明治大学中野キャンパス、早稲田大学、帝京平成大学の大きな校舎が立ち並びます。
中野に住んでいたときによく通ったアーケード街を歩いてみようと、急に思い立って行ってみました。
これは祭りの写真ではありません。
平日の昼の写真です。
地元の人に言わせれば普通の光景なのでしょうが、人が多いのにはただただビックリ!!!
これは、お祭り以上です。
f/6.3 1/80 ISO400 400mm相当
追伸:動産譲渡・債権譲渡登記(その2)-特別の事由があることを証する書面
もありますので、そちらもご覧ください。>>>こちら
さらに、動産譲渡・債権譲渡登記(その3)-添付書面の一部省略
もありますので、そちらもご覧ください。 >>>こちら
動産譲渡・債権譲渡登記(その4)-動産の保管場所の所在地
もありますので、そちらもご覧ください。>>>こちら
動産譲渡・債権譲渡登記(その5)-R3.6.1 動産・債権譲渡登記規則の一部改正
もありますので、そちらもご覧ください。>>>こちら